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半導体入門

はじめに

半導体が難しいのでだいたい何をするのかをここに書きます。 式とかはできるだけ使いません(これが入るとワケワカになるため)。 図はめんどいのでいつか作ります(今手書きでレポートを書いておりましてそこまで手が回りません、すみません)。 量子的に考えた電子の正確な捉え方はあきらめます。 よって厳密には嘘をついているところがありますが、そこはごめんなさい。 きっちり捉えたい場合、「半導体デバイス 基礎理論とプロセス技術」(S.M.ジィー著、産業図書)を解読すると良いです。

半導体とは

抵抗率をいい感じに高くしたり低くしたりできる物質です。 抵抗率がなぜ変わるかをまず説明していきます。

抵抗率とはそもそもいったいなんなのか

自由電子というやつがあります。こいつは原子につかまらず、自由に動ける電子です。 よって、こいつが多いとじゃばじゃば電流が流せる、つまり抵抗率が低くなるということになります。 ちなみにこいつが足りなくても、空き席がどんどん移動して結果的に正の自由移動ができる粒子(ホールや正孔といいます)として捉えられて、 抵抗率が下がります。

ところで、自由電子とはなんでしょう。原子を書くと原子核と電子を書きますよね? その電子の一番外側の電子が自由電子になりえます。 ただ、電子の軌道は何本かあって、それぞれに満席になる電子の数が決められています。 この軌道に入る電子は近くにいる原子と共有できたりするのですが(電子結合)、 それでも満席にならないと一番外側(以降では「最外殻」と呼びます)の電子は「不安定なのでぼくはどっか行きます」といって どっかいってしまいます。よって自由電子になるのです。

どっかいく力はどこから?

どっかいく、といっても電子は意思を持つ粒子ではありませんから、 何らかの外的要因を受けてどっかに行っているはずです。

それはなんなのか?それはズバリ、熱振動のエネルギーを受けているのです。 熱があると物体は微細に振動します。これでつき飛ばされているイメージが近いかもしれません。

どんなのが半導体になる

抵抗率を変える要素は分かりました。 じゃあ抵抗率が変わるってどうやるんでしょう? その答えは、**「まず軌道が全部安定になる平和な状態をつくり、そこに攪乱要素(主にちょっと違う物質)を入れる」**です。

軌道が全部安定になる平和な状態のつくりかた

まず周期表を開いてください。

14族ってとこがありますよね(周期表14列目をみてください)? そいつらは最外殻に4個の電子を持って、軌道内に8個の電子があると安定します。 よって、不足している電子は4個です。そして、この電子はお隣と共有できます。 つまり、4個の同じ14族のおとなりさんを持ってこれば安定しますよね?

これでまず平和な状態を作ります。この状態を真性半導体とか言ったりします。

単結晶、だいじ

さっきの話はお隣の数が重要でしたね? 実は半導体結晶ってのはデフォルトでお隣4個の結晶を作ろうとします(たぶん軌道と関係あると思います、未知)。 よって、理想的なきれいな結晶(単結晶といいます)を作ることができれば、 この後話すエネルギーバンドなどの理論値で動くデバイスが作れます。

この単結晶を作るのは本当に大事です。最先端の素材もこの結晶を作るのに苦労しているみたいです。

発狂のIV族

半導体などでは14族をIV族元素と言ったりします。 このノリで13族はIII族、15族はV族です。 がんばって覚えましょう。

攪乱要素たち

また周期表を開いてください。 周期表ってのは左に行くと電子の数が-1されて右に行くと電子の数が+1されます。 つまり、13族やら15族をぶっこむと電子が不足や過多になりますよね。 これって攪乱ですよね? すると自由電子や正孔が発生します。結果として抵抗率が変わるわけです。

なお、熱や光でも外乱要素となって攪乱されることがあります。 熱暴走や光センサはこのノリが元となってたりします。

攪乱したやつに呼び名をつけよう

以降では、この攪乱種類の違いでべんりなことを起こしてデバイスの元になる現象を起こしたりします。 なので、2つと先程触れたやつに名前をつけましょう。

  • 15族を添加して電子が過多(自由電子が常にわさわさおる)になったものを「n型(n形)[「負」の自由粒子が多いのでnegative]」とします。
  • 15族を添加して電子が不足(正孔が常にわさわさおる)になったものを「p型(p形)[「正」の自由粒子が多いのでpositive]」とします。
  • 先程言った真性半導体(自由電子も正孔もあんまおらん)を「i型(i形)[真性の英訳: intrinsic]」とします。

バンド図

バンド図ってなんだよ電子にバンドつけて「赤色のバンドの方は軌道に戻ってくださ〜い、緑色のバンドの方は軌道から出てくださ〜い」 ってのの図でもつくるんかって感じですよね。

このバンド図ってのは、簡単に言うと軌道がめーっちゃ集まって帯みたいになるからバンド図て言うんですね。

実は結晶を作ろうとすると電子の軌道は分裂します(量子力学の効果)。 そして、結晶を作ると分裂が多すぎて帯みたいな軌道の集まりを作ります。 ここで最外殻の分裂の帯に注目すると、

  • 自由電子が走っている帯(伝導帯)
  • 電子が絶対にいないとこ(禁制帯、バンドギャップ、この幅をと書いてこれがめちゃ重要になる)
  • 結晶につかまってる電子でめっっちゃ埋まってる帯(価電子帯)

ってのができるんですよね。 これでいろいろ電子の動きをわかりやすくして、nとpや違う物質をくっつけたときや、熱や光の影響なども見ていきましょーってのがバンド図です。

ちなみに、金属もバンドが書けるんですが、 金属は自由電子が常におるので(だから抵抗率が低い)伝導帯が常に電子で満たされてたりします。

がなぜ重要か?

ってのは結晶につかまっている電子が自由電子になるときに必要なエネルギーなんですよね。

つまり、が大きいと熱で抵抗率が変化しずらくなります。これって熱に強いデバイスの元になります。

また、自由電子から結晶につかまっている電子になるときには場合によって光を放出します。 このとき、電子にはエネルギー保存則が適用されます。光のエネルギーをとしたとき、 エネルギー保存則はとなります。さらに、光のエネルギーと光の振動数には比例関係があるので、 結果的にがデカいと振動数の高い光が出てくることになります。 青色や紫色、紫外線は振動数が高いので、こういうLEDとか作るときはが高くなるように物質を工夫しないといけません。

は物質固有の値になります。だから新しい材料が出てくるんですね(高バンドギャップ半導体の開発)。

pn接合

さて、pとnをくっつけてみましょう。この構造をpn接合といって、これがあることではじめて電子デバイスができます。

pとnをくっつけると、片方は正孔もう片方は自由電子があるので、 引き寄せあってくっついて両方なくなります。これを(直接)再結合といいます。

しかし、ここで邪魔になってくるのが原子核です。原子核は動けません。 pは正孔+1分の電荷が消えるので結果-1の帯電した邪魔者(イオン化アクセプタといいます)が、 nは自由電子-1分の電荷が消えるので結果+1の帯電した邪魔者(イオン化ドナーといいます)ができます。 こいつらは正孔と自由電子の引き寄せに反発するクーロン力を起こします。

「引き寄せ」の詳細

自由電子と正孔が引き合うって、それってクーロン力で引き合っているのか?と思うかもしれません。 ただ、それは違うんですね。実際は濃淡差による拡散の力が働いています。

n形にとってp形は自由電子が薄い領域です。 また、p形にとってn形は正孔が薄い領域です。 結果として薄い方に拡散し、双方がぶつかって再結合するのです。

空乏層

引き寄せの力と邪魔者のクーロン力が釣り合うと安定状態になります。 このとき、pn接合部付近は邪魔者の原子核しかいないので抵抗率は高くなります。 これを空乏層といって、こいつを制御するとスイッチらしきものを作れたりします。 逆に、これがまともに作れないとスイッチなんて作れないのでダメです。

デバイスを開発する人はここの配置とかをいい感じになるように頑張ってたりしてます。

いじょう

なんか息抜きでこれ作ってたら1時間半経ってました。つかれました。